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ふかしの ページ5

💛




とあるダンスレッスンの日だった。

いつも通り練習して、ふっかの休憩を求める声が聞こえてきたので仕方がないから休憩時間をとった。

俺は音を聞いて頭の中で振りのイメージを考えたり、メンバーの様子を後ろから眺めていたりしていた時だった。



深「なんか、A元気なくない?」

岩「え?…そうは見えないけど」



寝っ転がっていたふっかがいつの間にか隣にいて、何かと思えばAの話。
ふっかによるとAは今日、元気が無いらしい。

俺にはそうは見えないけど…。ふっかが言うなら間違いないかもしれない。
「ちょ、俺声かけてくる」と少し慌てて踊っている彼女の元へ行き、話し始めた。

Aは不器用だ。
人に頼ることに少し、いやかなり恐れを感じているようで、本人は「そんなことないよ」と言ってはいるがきっとそこには何か理由があるのかもしれないと俺は思っている。
あの時無理して笑った顔が今でも頭から離れない。
その時なんで無理して笑っていたのか問い詰めたいところだったけど、彼女が自分から言うのを待つことにした。

そんなAはさっきまで踊っていたのに、いつの間にか中断していてふっかと話し込んでいるようだった。

やっぱり、ふっかには彼女の何かがわかるのかもしれない。
そんなことを思いながらじっと2人の様子を見つめていたらふっかが立ち上がってこちらへとやってきた。



深「ちょっとドラマの役で悩んでたっぽいわ」

岩「よくわかるね」

深「ははっ、それさっきAにも言われた。ま、大事な仲間ですからね」



「もっかい寝っ転がってこようかな」とぼやいているふっかに「もう練習始めるからな」と言いつけると不貞腐れた様な態度ではーいと返事が返ってきた。


悔しいけど俺にはAのちょっとした不安を感じ取ることはできない。

ふっかがAの心情を感じ取れる理由。



それは、ふっかも不器用だから。
きっと不器用同士何か分かり合えているのかもしれない。



岩「練習始めよー」



俺はみんなに声をかけて練習を再開するのだった。

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作者名:千史 | 作者ホームページ:紅一点です。  
作成日時:2024年2月7日 0時

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