ステージ11 ページ25
side目黒
それスノの撮影前、9人が楽屋で各々好きなことをしている。クイズの問題を見ている阿部ちゃん。スマホで漫画を読んでいる佐久間くん。ご飯を食べているラウールと舘さん。
リラックスした雰囲気が飽和する楽屋にコンコンコン、と3回ノックが響いた。
阿「あれ?誰だろ。メイクさん?」
深「撮影…には早いし、挨拶は今日もう終わってるよね」
確かに撮影開始までにはあと1時間半ある。メイクが始まるにしてもいつもより少し早い。
疑問符が皆の頭に浮かぶ中、ゆっくり扉が開いた。
『こんにちはー…』
向「小晴さん!?」
『ごめんね急に』
岩「それは全然いいけど、どうしたの突然」
『9人揃う日は今日だっておつるさんに聞いたから…バレンタインチョコ持ってきたよ!』
「「うおーーー!」」
まるで男子部活のように皆の声が響く。かなり耳にダメージを受けた。
『えっとー、これは舘様!』
宮「ありがとう。あ、Lindtだ。嬉しいー」
『これは、向井くん』
向「ありがとうございます!!!」
『これがふっかだね』
深「来たーーー。やったぜ」
鴇さんが1人ずつチョコレートを手渡していく。9人いるから全員にまとめて渡せばいいのに、いつも1人ずつ違うチョコレートを選んでくれるのは、鴇さんらしくて丁寧だ。
『…大介、はい』
佐「GODIVAだー!ありがと」
『はーい。でこれが阿部ちゃん』
阿「ありがとう。あ!外装が緑だ。可愛いーーー!」
深「あ、俺も紫」
宮「メンバーカラー?」
『そう!久しぶりに揃えてみようと思って』
向「天才やん!」
『次、ラウールくん。はいどうぞ』
ラ「ありがとうーーー!」
『これはーひーくん』
岩「ありがと…BVLGARIじゃん!?」
『ひーくんはチョコ好きだから、良いものを少しのほうが嬉しいでしょ?』
岩「大事に食べます…!」
『んははっ。じゃあこれがしょっぴーね』
渡「はい。あ、可愛いー!ありがとう」
『ん、で最後が目黒くん』
目「ありがとうございます」
俺に渡されたのは黒い包装紙に包まれたチョコレートだった。包装紙にはVANILLABEANSと書かれている。ゆっくり包装を開けると、黒い箱が8つ並んでいた。
目「今食べちゃお。いいですか?」
『うん。勿論!感想聞かせて』
ラ「食い意地張ってんなあ」
目「ふはっ、お前に言われなくねえわ」
箱からチョコレートを出して口に運ぶ。チョコレートが口の中で少しずつ溶けだす。なくなるのが勿体ないと思いながら甘さを噛み締めた。
204人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:不明 | 作成日時:2024年1月13日 23時