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『大丈夫。そんなに直ぐには辞めないよ』
ラ「少なくともあと10年くらいは続けてもらわないと困りますよ」
『それはちょっと分かんないけど』
大「困るよねー。鴇ちゃんのダンスいっつも観てるのに」
『そうだったの？嬉しいなあ』
そろそろお腹も満足したなあと思ったところに丁度良く鉄火巻が出てきた。
『大将、なんで頼んでないのに分かるの？』
大「鴇ちゃんのことよーく見てるからね」
ラ「どういうことですか？」
『私、いっつも〆の巻物は鉄火巻なんだけど、何も言ってないのに私がお腹いっぱいになってきたのを察して大将が出してくれたから』
大「鴇ちゃん大体いつも19貫で満足して、20貫目に鉄火巻を頼むんだよ」
ラ「へえーーー」
『待って、何それ私知らないんだけど』
大「言ってないもの。ラウールくんはどう？もう少し食べるかい？」
ラ「あ、僕もそろそろ…」
大「最後、何で〆たい？」
ラ「僕も鉄火巻で！」
大「承知しました」
2人して鉄火巻でお腹を膨らませたら、お勘定をお願いする。
『大将、カードで』
ラ「あ、僕払います！」
『いいのいいの、若いんだから。今は奢られときな？』
ラ「でも、いっぱい食べちゃったんで」
『…じゃあ、映画決定おめでとうってことで』
ラ「…まあ、そういうことなら…」
明らかに不服そうな顔をしているが、ここは大人として気付かないふりをする。今日は元より奢る気だったのだから、こんなところで引けない。
ラ「次は絶対出させてくださいね」
『はいはい、分かったよ』
ラ「絶対ですよ！？」
ぷりぷり怒る192cmが可愛い。大将にお礼を告げたら、2人で帽子をかぶって店を出る。事前にマネージャーさんに頼んでいたから、店の前には車が停まっている。マネージャーさんにラウールくんを預けて、私も家へ帰った。
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作者名：不明 | 作成日時：2024年1月13日 23時
