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『私、大介に嫌われてると思ってたのに…』
阿「別に、そんなことはないと思うけど…だって嫌いな人にブレスレットをプレゼントなんてしないよ」
『そうでしょ？だから困惑してるのよ』
『大介の気持ちが分かんないの』
『昔は手に取るように分かったのに。好きなものも、食べたいものも、行きたい場所も、全部』
阿「…」
佐久間が羨ましいや。こんなに小晴ちゃんに思ってもらえて。
阿「今はいっぱい悩もうよ。幾らでも隣で聞いてあげるから」
『…』
阿「…小晴ちゃん？」
『…』
阿「もしかして、寝ちゃった？」
小晴ちゃんの肩を揺らす。それでも彼女は全く目を覚ます気配がなかった。ど、どうしよう。
取り敢えず店の前にタクシーを呼んでおいて、お会計を済ませる。彼女の肩を支えて、反対側の腕で彼女の上着と荷物を持つ。
彼女の家に送り届けてあげよう、と思ったが、よく考えればいつもマンションの下までしか迎えに行かないなら、小晴ちゃんの部屋番号を知らない。と、なれば…
彼女の肩を支えたまま鍵を開け、すぐ閉める。見慣れた景色に彼女を引き入れた。取り敢えずソファに座らせる。特に懇切丁寧に扱っていなくても小晴ちゃんが起きる気配はない。小晴ちゃんは細身ではあるが、背が高くて筋肉質なので、眠ってしまっていると運ぶのが大変だった。これ、本人に言ったら怒られるな。
阿「小晴ちゃーん、起きてほしいな」
阿「ま、起きないか」
本当は彼女の明日のためにも水を飲んでほしいが、今の状態では難しいだろう。取り敢えず、メイク落としとコットンを持ってきて、彼女のメイクを落としてやる。
肌を擦らないようにゆっくりゆっくりメイクを落とす。振り入れのときなどはかなり薄いメイクなのですっぴんでも違和感がない。
阿「睫毛長いなー」
睫毛が頬に綺麗な影を落とすほど長い。つけまつ毛は…してないよね。付けてたとしても俺には外してあげられるような技術は持ち合わせてないけど。
阿「うーん、どうしよう」
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作者名：不明 | 作成日時：2024年1月13日 23時
