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時間は24時。肩を揺らしても頬を抓っても、彼女に起きる気配はない。スカートに皺が付いてしまいそうだけれど、流石に着替えさせるのは気が引ける。呑気な顔に段々腹が立ってきた。
俺と会っているのに話すのは佐久間のことばかり。ねえ小晴ちゃん、5年間ずっと隣にいたのは俺なのに、どうして振り向いてくれないのかな?この関係が崩れないように、隣にいられるように、ずっと我慢してたんだよ。俺、小晴ちゃんのことがずっと好きなんだよ。
5年前、佐久間と小晴ちゃんが疎遠になったとき、心の中でガッツポーズをしたんだ。性格悪いよね。でも許してほしいな。好きな人と1番仲が良かった人が離れたんだから。だからその場所は俺が貰ったんだ。
今の小晴ちゃんは何をしても起きる気配がない。潰れるくらいお酒を飲んでこれは…無防備すぎない?
阿「信頼してくれてるのは嬉しいけどさあ…もうちょっと危機感持ったら?俺も男だよ?」
彼女を抱えてベッドに横たわらせる。寝ていても顔が整っている。小晴ちゃんはきっとその辺の地下アイドルや読者モデルよりずっと綺麗だ。
阿「我慢してるんだからさ、これくらいは許してよね」
そう自分に言い訳をして、リブニットのカットアウトから彼女の素肌を撫で、唇を重ねる。繋がりを離した瞬間に、酷く罪悪感に襲われて寝室を出た。
厚手のブランケットを持ってきて、ソファに寝転ぶ。小晴ちゃんのことをできるだけ考えないように、仕事のことを考えながら眠りについた。
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作者名:不明 | 作成日時:2024年1月13日 23時