ステージ18 ページ47
side鴇
いつもの事務所。いつもの会議室。いつも通り黄色の髪紐で髪を結う。
『お待たせ』
岩「小晴、来てくれてありがとう」
『いえいえ』
今日は祭 GALAの振付の相談のために呼ばれた。ここはいつもSnow Manの振付をするときにひーくんと会議をする事務所の会議室。机と椅子とホワイトボードしかない単純なつくりで、丁度良い狭さが2人には快適だった。
岩「これ、GALAの資料。今話が進んでる分だけだけど」
『ん、ありがとう』
A4の束を受け取る。私も今までGALAの詳細は知らなかった。ペラペラと捲ると舞台ステージの構想や大まかなプロットが書かれている。
『それで、振付の相談って具体的には？』
岩「あー、うん。全体のストーリー構成は大体決まってるんだけど、細かい具体的な振りのことは小晴のほうが知識があるだろうから。その辺を聞きたくて」
『うんうん』
岩「今考えてるのは、体力を使う振りがしたくて。終わった後、疲れたーって言えるような」
『…それは、アクロバットを多用するような身体的疲労のこと？それとも、細かい技術が必要で集中力を使うような精神的疲労のこと？』
岩「…前者で考えてたけど、そういう方法もあるのか」
ひーくんは目を丸くして、考え込むような素振りをした。
岩「…後者だったらどんな風なのがある？」
『うーんと、Perfumeさんのライブなんだけど…』
YouTubeで動画を探す。確か最近のライブで『マカロニ』を披露していたとき…途中までは普通に踊っているように見えるんだけど、後ろに写っている影が前撮りで、それに合わせて踊っているってやつ。
『あった、これこれ』
岩「…お？ああ、別撮りってこと？」
『うん。こういう再現性が必要なやつ、良くない？』
岩「これに似た方法でなんかある？」
『…うーんそうだなあ。例えば、ごめんステージのつくりとかよく分かんないけど、スクリーンにエフェクト写してそれ通りに動くとか、前撮りの動きと左右対称に動くとか』
『前撮りの人と生の人、同時に演じるとか、皆で一糸乱れぬ振りをするとか』
岩「おお…めっちゃ出てくるね」
『え？あははっ。Snow ManのライブとかMVでやろうとして出来なかったこといっぱいあるから』
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作者名：不明 | 作成日時：2024年1月13日 23時
