太陽を引継いで ページ40
( you side )
Aぇが6人になって「バンドをどうするか」、という話しになった。
ベースが入っているバンド曲がある以上、私たちだけでバンドを続けるなら誰かが担う、が自然だときっとメンバーの誰もが思っている。
彼の音だけを打ち込むことで
対応できないわけではないけど、
これからを考えるなら、ベースはいたほうがいい。
バンド組の3人が今更楽器を変えるのは
現実的に考えてなしだ。
結局別の楽器が穴になって、
同じ問題がおこるだけ。
残すは
私、
誠也くん、
リチャくん。
メインボーカルである
誠也くんにやらせるのもなし。
となると。
『……私が、ベースやる』
会議室にいたメンバー全員の視線が
急に言葉を発した私に向いた。
小島「できるんか?」
『できるかじゃない。やるよ』
末澤「りりは演技仕事で個人の仕事も1番多いし、練習できる時間が現実的にとれんのかってことやろ」
『それは誰がやるってなっても同じことだよ』
佐野「しろちゃん、」
リチャ「無理しぃひんやろうな」
『Aぇのためなら無理くらいする』
末澤「そんなこと誰も望んどらん。お前だけに背負わせたいわけやないやろ」
『一応、ギターは少しだけど、
正門に教えてもらってステージでもやってるし。
どうにかする。絶対に』
正門「しろ」
正門にしては固めの声で名前を呼ばれて彼のほうを見た。
正門「しろが言いたいことはわかってる。
俺も、しろの判断は間違ってないと思う。
だからせめて、今まで以上に俺らに頼り」
『……無理は、倒れない範囲でしかしない。
大晴くんがいたところの歌割は、
あんまりふらないでくれたら助かり、ます」
小島「最初からそう言えや」
呆れたような、笑うような、泣くようなリーダーの声が部屋に響いた。
見回したメンバーの表情は先ほどよりもほっとしているように見えた。
最終チャンスやぞ(2023) - nagase→←おりかどと姫城とSNS反応
371人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くー | 作成日時:2023年11月15日 12時